シャシー - よりスポーティに、いっそう引き締められた足まわり

パワーと縦方向の加速性能がGTSモデルの開発にあたって掲げられた評価基準でしたが、高いコーナリングスピードとドライビングの正確さも同様に追い求められました。718 ボクスター GTSと718 ケイマン GTSでは、シャシーコンポーネントをさらにスポーティにチューニングすることにも重点が置かれています。標準で組み込まれたポルシェ アクティブ サスペンション マネジメントシステム(PASM)が、快適性を維持しながら、より優れたトラクションを提供し、ドライビングパフォーマンスを高めます。車高が20mm低く設定されるPASMスポーツシャシーもオプションで用意されています。これにより、車高がGTSスタンダードシャシーよりも10mm低くなります。

ポルシェ スタビリティ マネジメント(PSM)は、ドライビングダイナミクスの限界付近において車両の制御を自動的に安定させるシステムで、車両の進行方向、速度、ヨー速度、横Gを常時監視しています。標準装備のスポーツクロノ パッケージにはPSMスポーツモードが含まれています。このモードは、サーキット走行や冬季のトレーニング走行において、ドライバーが安全性を犠牲にすることなく車両を限界にいっそう近づけて走らせることを可能にするものです。「PSMオン」の状態に比べ、この機能の方が格段に大きなサイドスリップアングルと駆動輪のスリップを許容します。これにより、PSMをバックグラウンドで有効化した状態で、はるかにスポーティなドライビングを行うことができます。

GTSモデルでは、ほかにも標準で追加されるシステムによって、ステアリングの正確さ、敏捷性、トラクションも向上しています。PSMの範囲の拡大と、ポルシェ トルクベクタリング(PTV)および機械式リアディファレンシャルロックによって、パフォーマンスとドライビングプレジャーが高まります。コーナーに飛び込みながらステアリングを切るとき、内側のホイールに断続的にブレーキをかけることで、車両の垂直軸まわりに角運動を発生させます。これにより車両のステアリングの正確さと敏捷性が向上します。機械制御式のディファレンシャルロックは、より多くのパワーを回転の遅いホイールに再分配することを可能にします。この結果、トラクションが高まり、タイトなコーナーを素早く加速して立ち上がることができるとともに、縦方向と横方向の運動性能が大幅に向上します。

ねずみ鋳鉄製ブレーキディスクと赤いブレーキキャリパーがトップクラスの減速性能を提供します。サーキットでの過酷な温度負荷にも対応します。GTSのブレーキは、標準では4ピストン固定式キャリパーと、フロントに330×34mm、リアに299×20mmのディスクが組み合わされます。お客様は、ポルシェ セラミックコンポジット ブレーキ(PCCB)を選択することもできます。このオプションは、フロントが6ピストン固定式キャリパー(黄色に塗装)に350×34mmのディスクと、リアが4ピストン固定式キャリパーに350×28mmのディスクの組み合わせで構成されます。

両GTSモデルとも、20インチのカレラSホイールを標準装備します。タイヤはフロント235/35 ZR 20、リア265/35 ZR 20の組み合わせで、理想的なグリップを提供します。

スポーツクロノ パッケージも標準装備の一部で、パッケージにはダイナミック トランスミッションマウントも含まれます。PADMシステム(ポルシェ アクティブドライブトレーンマウント)はエンジンの振動を最小化し、ドライブトレーン全体の重量によってドライビングダイナミクスが影響を受ける可能性がある動きを軽減します。これはハードなギアボックスマウントとソフトなギアボックスマウント、それぞれの長所を兼ね備えています。ハンドリングは負荷の変化に対してもより正確で安定なものになり、不整な路面でも快適性を犠牲にすることなく高速コーナーを回ることができます。

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パフォーマンスとエンジン - 新しいインテークダクトが生み出すより強大なパワー