1963年から君臨するスポーツカーの象徴
ポルシェ911の7世代
フランクフルトの国際モーターショー(IAA)でレジェンド誕生の瞬間が訪れました。それは1963年9月12日のことでした。この日、ポルシェは大きな期待を寄せられていた356の後継車を発表します。最初は901と名付けられたこの新型スポーツカーは、356の偉大な魂を引き継いだモデルでした。ポルシェはこの新型モデルで、それまでより上位のカテゴリに挑戦するというブランドの意欲を表しました。4気筒に代わって6気筒が採用され、ブランドの伝統に沿った空冷式の水平対向エンジンの出力は130 PSを誇りました。この新型モデルが1964年に発売された時点で、同車の名称は既に911となっていましたが、これはフランスの自動車メーカープジョーとの間で、車名の商標権をめぐる争いがあったことが原因でした。走行性能があらゆる期待を上回っていた911は、すぐに「真の」ポルシェとして認められました。911は世界中で例を見ない成功を収めることになりますが、その階段を上り出したのが、まさにこの時でした。