インテリジェントなLEDヘッドライトで視野を改善

電装および電子機器

ポルシェは新型911のために数多くの新しいセーフティ・アシスタンスシステムを開発しました。特に目覚ましいものはオプションで選択可能なPDLSプラスを備える新型LEDマトリックスヘッドライトです。この装備はポルシェライトテクノロジーのもっとも先進的かつ代表的な技術です。マトリックスヘッドライトは84個のLEDと、より遠くを照射するための連動式ハイパワーLEDのハイビームで構成されています。このようにして生成される光線は到達距離および強度においてレーザーライトに相当します。光は分散されるため、ドライバーはつねに最大限の道路照明を利用でき、他のドライバーの視界を邪魔することはありません。複合的なヘッドライトモジュールは複数のコンポーネントから構成されており、これらはカメラデータ、ナビゲーションデータおよび車両状態に基づいて、それぞれ独立して極めて柔軟に制御可能です。

光の分散をインテリジェントに制御することは、走行快適性および走行安全性の大幅な向上に繋がります。例えば強く反射する交通標識をカメラが認識した場合、標識に当たるライトを減光します。いわゆるブースト機能では、対向車に当たるライトを減光すると同時に自車の走行車線をさらに強く照射します。ドライバーの視線はこれにより適切に誘導され、快適性と安全性が向上します。コーナリングライトは緩やかに照射方向を変えることで目の疲れを低減します。

新型911は標準でLEDヘッドライトを装備しています。このヘッドライトには、ハイビームとダイナミックレンジコントロールが含まれています。この上位にはオプションのPDLSプラスが用意されています。このヘッドライトには、ダイナミックなコーナリングライト、ハイビームアシスト、そして高速道路用ライトおよびフォグライトが含まれています。前述のLEDマトリックス ヘッドライトは完全に新開発されたものです。

新たなオプションを備えたアシスタンスシステム

新型911は標準装備で、とりわけ日常走行をより快適かつ安全にしてくれるアシスタンスシステムを提供します。カメラサポートによる警告およびブレーキアシストは車両、歩行者および自転車との衝突の危険を大幅に低減します。このシステムはドライバーに対して最初の段階で視覚的かつ音響的に警告します。第2段階では、大きな危険に対してブレーキ圧がかかります。ドライバーがブレーキをかけると、必要に応じてフルブレーキングにまで強くなります。ドライバーが反応しない場合、自動緊急ブレーキが導入され、衝突した際のダメージを低くします。

オプションのアダプティブクルーズコントロール(ACC)は機能範囲を大幅に拡張します。このパッケージには、停止と発進を自動的に繰り返す自動距離制御と、リバーシブルパッセンジャープロテクションが含まれています。このシステムはフロントエアインテーク中央に配置されたレーダーセンサーおよびカメラを用いて、前方車両との間隔をモニターし自動で調整します。隣の車線から横切って入ってきた車も認識されます。このシステムは、必要の範囲内で、前方車両に応じて停止状態になるまでブレーキをかけます。また可能な限り、コースティング機能を使用し、燃費を低減します。このシステムはこのようにして、特に車の流れが悪い場合にさらなる走行快適性と安全性を提供します。

911では、ストップアンドゴー機能により、ブレーキ後の停止状態から再発進することができます。車両が15秒以上停止している場合は、加速ペダルに短く触れるか、ステアリングのACCレバーで操作するだけでリスタートすることができます。緊急停止状況になると、サイドウインドウおよびスライディング/リフティングルーフが自動で閉まります。さらに、ドライバーと同乗者のシートベルトテンショナーが作動します。

交通標識認識を含むレーンディパーチャーウォーニングアシスタント

高速道路の複数車線での車線変更には頻繁にリスクが伴います。オプションのレーンディパーチャーウォーニングアシスタントはカメラベースで作動し、ウインカーを作動させることなく車線を逸脱しようとすると反応してステアリングをサポートします。このシステムは特に長距離運転の際に快適性を高め、安全性を大幅に高めます。ステアリングサポートのほかにも、PCMではさらに警告音を発することができます。このシステムは65~250 km/hの速度範囲で有効です。

レーンディパーチャーウォーニングアシスタントは交通標識認識と組み合わされています。これは同じカメラを用いて、恒久的および一時的な制限速度表示、ならびに追い越し禁止および案内標識などを認識します。交通標識認識は状況に応じて作動し、その場合は他の車両システムを使用します。交通標識認識は例えば感雨センサーを介して水分を考慮に入れ、天候状態に応じた速度表示を行います。カーブが多い見知らぬ道路を走行する際にさらなる安全性を提供するため、このシステムは前方のカーブの方向情報をインストルメントクラスターのディスプレイに表示します。

レーンチェンジ アシストは視覚によって警告

レーンディパーチャーウォーニングアシスタントを補完する機能として、改良されたレーンチェンジアシストも用意されています。レーンチェンジアシストはレーダーセンサーを介して隣車線の後続車両の速度と間隔を認識します。速度および自車両との間隔がシステムにより危険と格付けされた場合、左または右のドアミラー内に警告が表示されます。このシステムは自車から70 m以内の車両を検知し、15~250 km/hの速度範囲で作動します。

新登場:赤外線カメラを用いたナイトアシスト

ナイトアシストでは、インテリジェントな赤外線カメが人や動物を暗闇の中で認識しドライバーに知らせます。このシステムは300 m以内を範囲としています。システムは各熱源を分類し、例えば動物やエンジンが暖かい駐車中のオートバイなど判別します。ナイトビジョンアシストは歩道上のリードにつながれた犬を警告といったエラーを避けるため、市街地内では解除されます。オプションのLEDマトリックス ヘッドライトとの組み合わせでは、認識された人または動物が短く点滅して強調されます。

パークアシストとサラウンドビュー

新型911のアシスタンスシステムは、操車および駐車を簡単にします。標準装備となったフロントおよびリアのパークアシストは、視覚と音響によってドライバーへ警告を行います。このシステムではフロントとリアの超音波センサーが使用されています。オプションで、パーキングアシストにリアカメラを追加することができます。リアカメラは、PCMに映し出されたカラーのカメラ画像にダイナミックサポートラインと障害物との間隔を表示して、ドライバーをサポートします。オプションのサラウンドビューを備えたパークアシストは、さらに4つの独立したカメラから360度の俯瞰映像を映し出します。PCMの表示は解像度がほぼ2倍になり大幅に鮮明になりました。

操作が容易になった新しいPCM

オンラインナビゲーションを備える新しいポルシェ コミュニケーション マネージメント(PCM)は拡張されたインフォテインメントの操作を容易にしています。これまでインストルメントクラスターまたはセンターコンソールを介して操作されていた多くの車両機能は、新型911では魅力的なグラフィックを備えたPCMの10.9インチタッチスクリーンを介して設定可能です。ヨーロッパの多くの国の地図データが予めインストールされ、パノラマビューおよび3Dナビゲーションマップなどが利用可能です。

システムは直観的な操作が可能で、個人の好みに合わせて設定することができます。あらかじめ設定されている表示を用いて、お気に入りのラジオ局、ナビゲーションの目的地、よく利用する電話番号、あるいはスポーツエグゾーストシステムといった機能など、お気に入りの機能を集めた「ホーム画面」を簡単かつ迅速に作成することができます。スクリーンの画面右側にあるインフォウィジェットを選択すると、他のPCM機能領域にアクセスすることができます。例えば画面中央のインタラクションエリアでナビゲーションを表示させながら、同時にその右側で電話機能を使用することができます。

数回のタップやスワイプなどの動作でメニューを簡単に操作できます。スマートフォンまたはタブレットのようにスワイプでページをスクロールできます。2本の指を使った表示の拡大、縮小または回転も新しいPCMでは可能です。さらに、ディスプレイは手書きを認識できるため、スクリーン上に目的地を書くことでナビゲーションを簡単に設定することができます。標準装備のオンラインサポートによる音声操作を介して、PCMの多数の機能を快適に利用できます。

3つのサウンドシステム

標準装備のサウンドパッケージ・プラスと並んで、新型911にはBOSE®およびBurmester®のサウンドシステムが提供されます。オプションのBOSE®サラウンドサウンドシステムは、総出力570 Wattの12個のスピーカーを用いて限界までバランスをとったオリジナルに忠実なサウンドを提供します。最高級装備はこれまでと同様にBurmester®ハイエンド・サラウンドサウンドシステムです。こちらでもスピーカー数は12個で、総出力は855 Wattとなっています。

コネクトプラスのアプリとサービス

新型911は常時ネットワークに接続されています。多様な機能は標準装備に含まれるポルシェ・コネクトプラスの構成要素です。ドライバーはポルシェコミュニケーションマネージメント(PCM)を介してAmazon Music、Nestのスマートホーム機能、Radio Plus、従来の放送受信とオンラインラジオからなるインテリジェントな組み合わせにアクセスできます。標準装備に組み込まれているLTE対応SIMカードによって、新型911は常時オンラインとなっています。コネクト機能の中心的役割を果たすポルシェ コネクト アプリ(標準装備)は操作がよりシンプルになりました。

もう一つの新しい機能はRadio Plusです。インターネットラジオの機能を含むこのサービスは、個人のお気に入り放送局がオンラインチャンネルを提供していれば、放送受信エリアを無限に広げます。このスポーツカーは、FMまたはデジタルラジオの地上波エリアを離れる場合、システムを自動でオンラインストリーミングに切り換えます。911は初めて、メディアの切り換えをほぼ聞きとられずに「シームレス」なソースの切り換えを提供します。

ビッグデータを用いたオンラインナビゲーション

リアルタイム交通情報を備えるオンラインナビゲーションはさらに使いやすくなり、よりスピーディで情報量が豊かになっています。シンプルなナビゲーションの目的地設定は中央の「ファインダー」をベースにしており、PCMのヘッダーにある虫眼鏡のアイコンをクリックすることによってアクセスできます。これによって、シンプルなキーワードで目的地を検索することが可能になりました。また、ファインダーはガソリン価格、利用可能な駐車場とその駐車料金および営業時間、ホテルやレストランのカスタマーレビューなど、幅広い情報を提供します。

ナビゲーション目的地の音声入力も新しいボイスパイロットによって簡単に機能します。ポルシェの音声操作はさらに機能が拡張されました。音声入力は、オンライン音声認識のおかげで以前にも増して大幅に直感的に利用することができます。例えば、住所の詳細なしにナビゲーションの目的地を入力することが可能です。

ルート計算も最適化されています。これはナビゲーションシステムの計算とオンラインデータの同時処理により可能になりました。そのため、ナビゲーションのルート案内はオンライン上とPCM内部の両方で実行されます。PCMは独立してどのナビゲーションが最適なルートを計算したかを決定する一方で、つねに最も早く到着すると計算された結果を表示します。

さらに、ナビゲーションシステムは新しいリスクレーダーサービスによっていわゆるビッグデータを処理します。交通と道路のコンディションに関するデータを匿名で取得し、同時に車両の関連機器から情報を送信します。車両センサーに基づいて、これらは例えば霧、滑りやすい路面、事故発生場所について警告します。この機能によって新型911は危険を緩和し、事故の防止に貢献します。

PCMだけではなくスマートフォンからもポルシェ コネクトアプリを利用して、または車両の外にいる場合はインターネットプラットフォーム「My Porsche」 を介して、ドライブの前にナビゲーション目的地を簡単に作成することができます。

ワンストップソリューション:アップルおよびアンドロイドスマートフォン用のポルシェ コネクトアプリ

ポルシェ コネクトアプリは、スマートフォンから異なる車両やコネクト機能にアクセスするための環境をより簡単かつ幅広くドライバーに提供します。このアプリにはナビゲーション、車両に関連する機能用のMy Vehicleと、ユーザーに関連するサービスおよび設定用のMy Accountの3つの主要エリアがあります。

スポーツドライビング用のポルシェトラックプレシジョンアプリ

ポルシェトラックプレシジョンアプリでは、911のドライバーは自分だけのドライブの楽しみを保存することができます。アプリにより、詳細にわたる走行データの記録、表示および分析をスマートフォン上で行うことができます。ラップタイムは、PCMの精確なGPS信号を介して自動で、またはオプションのクロノパッケージのステアリングボタンを介して手動で記録することができます。タイム測定は、オプションでポルシェ・テクップメントから入手可能なラップトリガーを用いてさらに精確にできます。

ポルシェトラックプレシジョンアプリのユーザーインタフェースは、新型911に合わせて一新されました。これによりアプリはさらに直観的でユーザフレンドリーにスマートフォン上で操作できます。

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