アウストロ・ダイムラー ADS R「サーシャ」 (1922)

アウストロ・ダイムラー ADS R「サーシャ」 (1922)

生産年: 1922 年
エンジン: 4 気筒
総排気量: 1,089 cc
最高出力: 45 PS(33 kW)
最高速度: 144 km/h

伝説のロードレース、タルガフロリオでポルシェが残した偉大な伝統は、アウスト ロ・ダイムラー社向けに開発されたこの「サーシャ」で始まりました。この高性能コ ンパクトカーは本来、生産型 4 シーターモデルの試作車として製作されたものでし た。しかし初出場した 1922 年に、エンジン排気量別に分けられたカテゴリーで、 1 位と 2 位に輝きました。見事な結果を残した要因は、車両重量わずか 598 kg と いうこの軽い車両の操縦性と、効率性に優れた燃料消費にありました。開発プロジェ クトに資金を提供したファクトリーのオーナー、アレキサンダー “サーシャ“ コロ ラット伯爵の名を与えられたこの車両は、さまざまなレースで通算 43 勝を挙げま した。Dr. フェルディナント・ポルシェもモータースポーツには情熱を注いでいまし た。それは厳しい条件の中で自らの設計の確かさを示すための、格好の舞台となるか らでした。Dr. フェルディナントはこのサーシャで、ひとつの原理を追い求め、ついに確立しま した。それは、後にポルシェの生み出したあらゆるスポーツカーの特性となる、傑出 したパワーウエイトレシオでした。このパワーウエイトレシオとは、車両重量とエン ジン出力(kw)の比率を意味します。

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