世界初のポルシェ

1898年に登場した正真正銘の電気自動車をポルシェ ミュージアムが披露

シュトゥットガルト‐ツッフェンハウゼンにあるポルシェ ミュージアムには、自動車デザイナーのフェルディナンド・ポルシェが初期に造り上げた非常に特別な車両、“エッガー‐ローナー電気自動車、C.2 フェートンモデル”が2014 年1 月から当時のまま展示されています。1898 年に造られたこの電気自動車は、一見したところ古い馬車に似ていますが、実はこの車両が世界初のポルシェデザインなのです。

ポルシェ ミュージアムの常設展示物の中では中心的な存在で、過去と現在の架け橋になっています。この“C.2”は、未来のポルシェ プロダクトにも影響をもたらしています。つまり、フェルディナンド・ポルシェが初めて設計したこの1 台は、シュトゥットガルトに本拠を構えるポルシェにとっての遺産であるだけでなく、ニュー918 スパイダーといった今後の革新的な車両コンセプトに刺激をもたらす要素でもあります。

自動車業界のパイオニア、フェルディナンド・ポルシェ

フェルディナンド・ポルシェは、1875年9月3日、北ボヘミアのマッフェルスドルフ(現在のヴラティスラヴィツェ)にて誕生しました。ブリキ職人のアントン・ポルシェとその妻アンナとの間に第三子として生まれた彼は、父と同じ道を歩んで職人になるはずでした。しかし、彼が興味を抱いていたのは、電気の分野だったのです。1893年、彼はウィーンに行き、電気エンジニアリングの会社 “Béla Egger & Co.(1896年以降は “Vereinigte Elektrizitäts-AG”)” で見習いとして働き始めます。18歳のフェルディナンド・ポルシェは、彼が持つ無類の才能と確固とした労働倫理により、検査部門において急速に名を上げました。そして技術系大学の講義で理論的知識を広げると、その知識をすぐさま実践に活かしました。成功を手にするという野心と決意により、フェルディナンド・ポルシェは瞬く間に自身のキャリアを築き、わずか4年間のうちに、“検査部門” のリーダーと計画部門の第一助手を務めるまでになっています。こうした中、彼は、ウィーンで馬車を製造していた、ルドウィッヒ・ローナーと接触するようになります。ローナーは、独自の電気自動車を造りたいと考えていた人物です。

当時、“K.K. Hofwagenfabrik Jacob Lohner & Comp.” のオーナーは様々な事柄に関心を抱いており、彼の製造する豪華な馬車が販売低迷に直面していたことから、馬車の時代は終わりつつあると判断しました。ヨーロッパと米国を旅する中で、ローナーは時代の変化を予測する力を養いました。そして彼は、新たなビジネス領域で革新性を打ち出すことによって、こうした変化に立ち向かっていこうと考えるようになり、ガソリンおよび電気で走る車両を造る必要があるとの結論に達します。ローナーが特に売れると見込んでいたのは電気自動車でした。騒音や排気臭が最も少ないことから、一般社会に受け入れられやすいためです。車両に搭載する電気系の装置は“Vereinigten Elektrizitäts-AG”から注文され、シャシーおよびボディは、ウィーンのポルツェランガッセにあるローナー所有の会社と、フロリズドルフにある生産拠点のそれぞれで造られました。

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ハイブリッド車“Semper Vivus”(1900年~)の復元。
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