理念「パワー」
ポルシェ 911 ターボ 3.0 クーペとポルシェ 917 の時代
1970 年代初期、ポルシェはモータースポーツでかつてないほどの成功を収めまし た。ツッフェンハウゼンに本社を構えるスポーツカーメーカー、ポルシェはあらゆ るライバルを大きく凌ぐ実力を示したのです。その原動力は技術への信頼でした。
軽量構造設計の面で他のメーカーをリードするポルシェは、最もパワフルなエンジ ンの開発にも着手しました。この展示では高性能エンジンとその設計に重点が置か れています。当時のモータースポーツの世界はポルシェ 917 の全盛期でもありま した。そのためこのエンジンについても詳しく紹介しています。
ここでは 917 に搭載された水平対向 12 気筒エンジンを分解し、その各種構成部 品を展示しています。このエンジンの最高出力は 1,200 PS(883 kW)。ポルシェ の歴史の中で最強のパワーを誇るターボエンジンで、1973 年の 917/30 に搭載さ れたものです。レーシングカー向けに開発された過給技術は、生産型のロードゴー イングスポーツカーにも受け継がれています。製品史の参考として展示されている のは輝かしい経歴を今に受け継ぐパワーユニット、911 ターボに搭載されているエ ンジンです。現在、「ターボ」はポルシェのテクノロジーの代名詞と言えるほどの存 在となっています。